身体を正しく機能させるのに必要な発汗ですが、過剰な汗で生活や仕事に支障がでることも。
発汗の機能を正常にし快適な生活を送るために、まずその原因を知ることから始めましょう。
原因が分かれば正しい対処の仕方も分かってきます。
汗かきの原因は?
汗は主に身体の体温調整を行うのに必要で、特に人は哺乳類の中でもたくさん汗をかくそうです。
発汗自体は必要なものですが、汗の出すぎは困ったものです。私も仕事の関係で汗が出すぎて困るということがあるので、どうにかしたいと考えていました。
その中で汗っかきの原因にもいくつかの種類があり、原因に見合った対処法が必要ということがわかりました。
発汗の種類や汗かきの原因についてみてみましょう。
発汗の種類については次のようなものがあります。
- 温熱性発汗
- 精神性発汗
- 味覚性発汗
体温調整のために行われる生理現象。
緊張や興奮、痛みを感じた時に汗をかくこと。
辛いものなど味覚の刺激により汗をかくこと。
味覚性発汗については特に問題は無いと思いますので今回は対象から外しておきます。
温熱性発汗や精神性発汗の原因については次のようなものがあげられます。
肥満により厚い皮下脂肪で身体が包まれ、体の熱が体内にこもりやすくなります。体温調整にためにこの熱を発散させるために汗をたくさんかいてしまいます。
また隠れ肥満といわれる内臓脂肪が多い方の場合も同じく汗をかきやすい傾向があります。加齢とともに汗っかきになったという方はこちらも疑った方がよいですね。
運動しないと汗をかく機会が減り、汗腺の機能が衰えてしまいます。
運動をしていれば筋肉の近くの汗腺が十分に機能してくれますが、運動不足になるとこれらの機能が低下し、身体の一部の汗腺で発汗し体温の調整が行われます。
運動と関係無い頭や顔などの汗腺に集中的に汗をかくようなことが起こりやすくなります。
冷え性と汗っかきは一見関係無いように感じますが、冷え性の人は身体の水分を出しにくい体質になっています。
余分な水分は身体を冷やすので、身体を冷やさないように汗として排出することがあります。
身体のむくみが出やすいなどの特長もあります。
汗は自分で出そうと思ってもできませんよね。必要に応じて身体が勝手に汗を出してくれています。
発汗は自律神経によってコントロールされているのですが、自律神経が乱れると発汗にも影響が出ることがあります。
自律神経の乱れはストレスによって引き起こされることが多く精神性発汗のひとつの原因となります。
病気の予兆として汗をかきやすくなるということがあります。
甲状腺機能亢進症(パセドウ病)や自律神経失調症、糖尿病などの可能性もあるので気になる方は医師に相談しましょう。
また更年期障害の場合も「ホットフラッシュ」と呼ばれるのぼせ、ほてりや大量の汗が出る症状があらわれることもあります。
他にも注意しないといけないのが「多汗症」です。
多汗症は汗かきと異なり、運動していないときや暑くないときも汗が出る特長があります。
全身性多汗症では甲状腺機能亢進症が原因となっていることもありますし、病院で見てもらうのがよいでしょう。
また限局性多汗症の場合は腋の下や手のひら、足の裏などに多くの発汗があります。
私の場合に思い当たるのは運動不足です。同時に隠れ肥満も多分ありそうです。程よく汗が出る分には問題ないのですが、特に頭に噴出すように汗が出てきてこれに困っています。
女性の場合だと冷え性や更年期についても思い当たる方が多いかもしれませんね。
次の章では改善方法をご紹介します。自分の汗かきの原因から改善方法を探してみてください。
汗かきの改善方法
汗かきに原因が分かったらそれに対応する改善を行うことができます。
改善方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
そのままですが運動不足への対処法となります。
この場合は発汗機能を鍛えるというのが目的ですから、しっかり汗をかく必要があります。
なので、きつい短時間の筋トレよりも発汗を促すゆっくりとした運動がおすすめです。
ジョギングや体操でも良いですが汗をかきやすくなる30分以上続けられる運動がよいと思います。
これは結果的には肥満の改善につながりますので肥満による発汗への対処にもなりますね。
薄着の重ね着で体温調整がしやすいように服装を調整します。
仕事場のエアコンがきついなどは女性の冷え性の原因にもなりますが、これが汗かきの誘引にもなります。
冷え性で汗かきかたは冷え性の改善が汗かきの改善につながります。
自律神経の乱れによる汗かきは精神性発汗が主な原因ですからストレスの解消をまず考えた方が良いです。
十分な睡眠やリラックスが大切ですので、そのような環境を整えてみてください。
また、汗がでることを気にしすぎると余計にストレスになってしまうこともあります。気にしすぎないというのも大事なポイントです。
更年期障害による多汗、ホットフラッシュは自律神経の乱れにあるといわれています。これも精神性発汗の一種で顔や額に汗が出やすくなることがあります。
自分で止められるものでもありませんから女性の場合は顔の汗でお化粧がしにくかったり、取れやすかったりという悩みが出てきます。
他の症状などからも更年期障害に思い当たるようでしたら医師に相談されるのがよいと思います。
薬はどうも気が進まないという方は漢方薬やサプリメントなども検討してみると良いですね。
汗腺の発汗機能を鍛えることができる入浴方法にします。
シャワーだけだと身体の表面だけが温まり発汗が十分に行われません。半身浴にしてゆっくりと十分に身体の中まで温めることで発汗を促します。
全身の汗腺が機能することで頭や顔といった部分的にたくさん汗をかくことを予防できます。
肉食が多いと汗をかきやすくなります。肉に多く含まれるタンパク質は体内で熱を作る原料となりますから、その分の発汗が多くなります。
日々のメニューを見直して肉料理が多いようなら改善してみてはいかがでしょうか。
また、多汗の予防によい食べ物に大豆があります。大豆に含まれるレシチンは界面活性成分で、発汗時の汗を小粒にして蒸発しやすくしてくれます。
また大豆に含まれるイソフラボンには発汗調整の効果があるということですから豆腐などをメニューに入れるとよさそうです。
ただし、大豆をどれほど食べれるかということもありますから気休め程度にはなるかもしれませんね。
汗腺の発汗機能を鍛えるというのは汗かきへの対策としては矛盾しているようにも感じますが、例えば、100の汗を全身で出すのと100の汗を上半身だけで出すのでは体感的には2倍汗をかいた感じになるのではないでしょうか。
全身でほどよく汗を出すのは正常な身体の機能ですから、まずはその状態を目指すとよいですね。
また通常100の汗が200になってしまうのが「多汗症」です。先に説明したように病気の予兆の場合もありますから、この場合はお医者さんに相談されるとよいと思います。
汗を一時的に止める方法
改善策としていくつか紹介しましたが、すぐに体質が変わるわけではありません。
ここでは一時的にでも汗を抑えたいという場合の方法をご紹介します。
よく事例としてあげられるのが舞妓さんです。暑い時期に着物を着ていても顔の白塗りがくずれません。
これは「半側発汗(はんそくはっかん)」を利用しているためです。
半側発汗は皮膚圧反射を利用していて体の圧迫されている側の汗が減り、反対側の汗が増えるというものです。
舞妓さんの場合は帯を高い位置に締めて胸を圧迫することで上半身の汗を減らしています。
上半身汗を抑えるつぼの屋翳(おくえい)や大包(だいほう)もちょうとその辺りになります。屋翳のツボは乳輪の少し上あたり、大包のツボは腋の少し下辺りになります。
ここを指で押してもよいのですが、外ではちょっとやりにくいかもしれません。そんな方には服の下につけておける汗止め帯というものがあります。
突起のついたベルトを身体に巻き、ツボを押してくれます。気になったらチェックしてみてください。
他にも汗止めのツボとしては手のひらのツボの労宮(ろうきゅう)や内側くるぶしの復溜(ふくゆ)があります。
まとめ
「汗かきの原因もいろいろ。目的に応じた対処方法を。」ということで汗っかきの改善についてまとめてみました。
原因は人それぞれなので自分にあった改善方法を試してみてください。
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