9月なると、「中秋の名月」なんて言葉を耳にするようになります。
月がとても綺麗な時期になりますね。
お月見って毎年、日が違いますよね?なぜなのでしょうか。
また、あまり気にしていませんが、なぜお月見をするのでしょうか?
子どもにも聞かれても答えられないかも・・・。
今回は、
・お月見っていつやるもの
・お月見の由来
・十五夜の食べ物
などについてご紹介していきます。お月見を楽しむ参考にしてみてください。
十五夜とは?お月見はいつ行うもの?
秋の行事といえば十五夜があります。私が子どものころは今よりももう少し十五夜の行事をやっていたように思います。
母など十五夜が近づいてくると、十五夜の歌を歌いながら家事をしていた記憶があります。
すすきの飾りをしたり、お団子をお供えしたりしますが、本当に月にうさぎがいると信じていました。
十五夜の月はきれいですから、見え方によっては本当にうさぎがいるように見えたものです。
その十五夜ですが、「旧暦の毎月15日の夜」のことを指します。
月の満ち欠けは、およそ15日周期で新月と満月を繰り返します。旧暦では、新月を毎月1日としており、15日がほぼ満月になります。
多少ずれてくるので、いつも必ず満月になるとは限りません。
15日目の夜とそのときに見える月を「十五夜」といいます。ですから、実は十五夜は毎月あるのです。
ではなぜ9月の十五夜が特別扱いされているのでしょうか?
お月見の風習は、もともとは中国から伝わってきた行事です。
最初は平安時代の貴族たちの間で、「月を召でる」形でさかんに宴を行ったりしていました。
それが、旧暦の8月15日に行われていたようです。この時期に月がきれいなのは、古人も知っていたのですね。
すすきを飾ったり、お団子をお供えしたりするのは収穫を祝う意味があります。
すすきは稲の代わりとして飾ります。このころになると(江戸時代)庶民に定着して今のような形になったのですね。
さらに、なぜお団子をお供えするかということですが、日本では古くから旧暦の8月15日にさといもの収穫を祝って、さといもを食べる習慣がありました。
十五夜のことを別名「芋名月」(いもめいげつ)と呼ばれるのは、こうした由来があるからなのですね。
お団子も元々はお米から出来ているので、やはり収穫を願って月にちなんで丸い形のものをお供えしたのでしょう。
収穫を祝い、きれいな月を見ながらその収穫物をいただく。とても趣があることで風流がありますね。
十五夜の由来
十五夜の由来は、中国の唐の時代からきています。日本には平安時代に伝わったとされています。
中国の唐時代の観月宴「中秋節」に由来しています。
中秋とは旧暦8月15日のことで、7月を初秋、8月を仲秋、9月を晩秋と呼んでいたことから、この呼び方がついたそうです。
月の満ち欠けによるので、十五夜は毎年同じ月にはなりません。
平安時代中期のベストセラー、『源氏物語』でも「月の宴」の場面が出てきます。旧暦8月15日に供物を供えて詩歌管弦の遊びをする宴です。
「月の宴」は、とても風流があり貴族や宮中の人々のなかに浸透していったものだと想像できます。
現代ほど明かりが少ない平安時代には、とてもロマンチックな催しだったことでしょう。
江戸時代になると、かなり庶民に十五夜(お月見)は広まっていきました。
江戸時代には、お月見は2回見る風習があったようです。十五夜(旧暦8月15日)と十三夜(旧暦9月13日)の2回ですね。
「片見月」といって、どちらか一方のみ見るのは縁起が悪いといって忌み嫌われていたのです。
十五夜に用意する食べ物は何?お月見では何をするの?
十五夜とは、旧暦の8月15日の夜のことでしたね。先にお話したように、平安時代に中国の唐の時代から伝わってきました。
十五夜というと、すすきを飾ったりお団子をお供えしたりするのをイメージされるかと思います。
お団子以外に十五夜に食べる物を考えたことはありますか?
ここから十五夜に用意する食べ物などについてお話したいと思います。
お月見には何をする?
そもそもお月見には、作物の収穫を感謝する意味があります。すすきを飾るのは、稲穂に見立てているからなのですね。
実際に作物を作られている方は少ないと思いますが、季節のものをいただいきつつ、農家の方や食事をいただけることに感謝するのが良いのではないでしょうか。
ところで、お月見にお供えされるお団子は、里芋も意味しているようです。里芋もお供えするところもあるので「芋名月」とも呼ばれてたりもします。
お月見には何を食べる?
十五夜に食べるお料理ですが、やはり秋の作物を祝う行事でもあるので、この時期に収穫できる旬の食材を食べます。
秋に収穫できる食べ物は
・里芋
・さつまいも
・かぼちゃ
・大根
・きのこ(松茸、しめじ)
・れんこん
・くり
・ぶどう
・りんご
・柿
・梨
などです。
お月見にふさわしいお料理は、これらを使った食材で作るとよいと思います。
例えば
・くりご飯
・きのこご飯
・さといもの料理
・マツタケ(しめじ)の土瓶蒸し
・茶碗蒸し
・月見そば
・月見うどん
・きのこそば
・きのこうどん
・かぼちゃの煮物
・きのこのおろし
などなど色々ありますね。
お月見に見立てて、たまご料理もいいですね。
だし巻き卵やたまご料理ならオムレツなどでもありではないでしょうか。
ラーメンにゆでたまごを入れてもいいかもしれません。
9月も中旬になると、夜も過ごしやすくなっていきますね。温かい食べものがおいしく感じられる季節にもなってきます。
秋の食材は、どれも美味しそうで食欲がかりたてられます。山のものではありませんが、秋刀魚に土瓶蒸しなんていうのも、たまりませんね。
つらつらと書いていたら色々秋のご飯を食べたくなってきました。
今年のお月見には少し腕を振るってみませんか。
十五夜にふさわしいお供え・食べ物は何?
十五夜にふさわしいお供えですが、お供えの基本は秋の収穫を感謝することです。
やはりお団子(米)がふさわしいでしょう。
あとは、基本は「月」をイメージしたものになります。例えば、お団子が用意できなかったら、「つくね」などでもいいのです。
すすきの飾りも雰囲気が出ますので、飾りたいところですね。
お月見の日(中秋の名月)には、テレビのニュースでも「月」をクローズアップし、きれいな月を中継しますね。
子どもが通っている学校では、お月見の日には給食に「お月見ゼリー」が必ず出ます。
また地元のお豆腐屋さんでは、お豆腐のパッケージが十五夜の絵が描かれているものが、十五夜の日に市の全小学校に配られます。子ども達に十五夜のことを知る良い機会になっています。
最近は、あまりお月見をする人も少ないように思います。
昔は、縁側などのそばの部屋でお月見をすることもありました。私が子どものころは、和室続きの部屋でお月見をした覚えがあります。
昔より気温が上がり、お月見の頃でも、まだまだクーラーをつけて夕飯を食べるって家庭も多いでしょうが、鈴虫や秋の虫の声を聞きながら、家族や友人と「月」を見ながら秋の旬のお料理を食べれたら素敵ですよね。
まとめ
昔のお月見と現代では少し形が違いますが、月がきれいな時期に月を見る心は変わってないようですね。
「中秋の名月」などの言葉の意味も旧暦で考えると納得するものがあります。
時間は流れていても四季がある日本の文化(行事)の一つとして、子ども達に伝えていければ素敵なことですね。
私も十五夜の由来やお月見の日の食事のことはあまり意識したことはありませんでした。
今年からは、秋のご飯を意識して十五夜の日は、いつもよりお月見っぽいご飯にしてみようかと思っています。
この秋に取れた食材を買って、ご家族でお月見を楽しんでみてはいかがでしょうか。