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除夜の鐘・初詣の意味と由来 子供にきちんと説明できる?

除夜の鐘の意味と由来 お正月
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大晦日の夜になると、お寺から除夜の鐘が聞こえてきます。

夜から初詣に出かける方もいらっしゃると思います。

子連れでの初詣、除夜の鐘や初詣について聞かれることもあるかもしれません。

子供に聞かれてもきちんと答えられるように、どんな意味や由来があるのか確認しておきましょう。

除夜の鐘の意味と由来

除夜の鐘は、除夜=大晦日の夜の鐘という意味があります。

除夜の鐘の由来は、人の心にある煩悩(ぼんのう)を祓うためと言われています。
 

仏教では、人には108の煩悩があると考えられてきました。その煩悩を祓うためにつく除夜の鐘の回数は108回とされているのです。

煩悩とは、欲望など人の心を惑わせたり、悩ませ苦しめたりする気持ちのことを指します。

◇代表的な煩悩とは

煩悩は仏教の教義のひとつで、例えば欲望(肉体的および精神的)、怒り、執着、猜疑(疑う心)などがあります。

ちなみに、その煩悩の中で克服すべき最も根本的な三つを三毒と呼びます。

三毒を構成する貪・瞋・癡(とん・じん・ち)は煩悩を毒に例えたものです。とても簡単にいうと、

「貪」はむさぼり求める心

「瞋」は怒りの心

「癡」は無知の心

といったところでしょう。
 

子供に除夜の鐘について伝えるなら

・除夜の鐘は人の悪い心(煩悩)を綺麗にするために鳴らすんだよ
・悪い心っていうのは例えば
「あれやこれや何でも欲しがる心」
「思い通りに行かなくて怒る心」
「いろんな事を知ろうとしない心」
・大人、子供関係なく悪い心を正して新年を迎えるんだよ

といったところでしょうか。

実際には108個の煩悩があるというわけではなく、108は数えきれないという意味で使われています。

八百万の神様のことを(やおよろずの神様=途方もなく数が多い)と言うのと同じことですね。
 

ところで、なぜ大晦日に除夜の鐘を鳴らすのでしょうか。

お正月には年神様(お正月に自宅にやってくる神様)に、その年の豊作を祈るという神道の考えが浸透していました。

初詣に行く時は神様にお礼とご挨拶、といったイメージをお持ちではないでしょうか。
 

一方、お寺では仏教の儀式として正月とお盆に先祖を祀っていました。

この儀式が時代とともに変化し、お盆は現在のような形に、お正月は鐘をつく風習が今に残っているようです。

ですから、除夜の鐘は一年の最後の日(大晦日)に鳴らすようになったのです。

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除夜の鐘はいつから鳴らす?時間は決まってる?

除夜の鐘はいつから鳴らすかということですが、これにも決まりがあります。

ほとんどの寺院では、午後11時前後から鳴らし始めます。

実は107回目までは前年(ゆく年)のうちに鳴らします。そして最後の一回は新年(くる年)の午前0時になってから鳴らすのが正しいやり方と言われています。

一突き鳴らすごとに煩悩が消えていくということ願いを込めて107回鳴らします。

そして午前0時になり、新年を迎え煩悩をすべてきれいにお祓いして新年に1回鳴らす。

鐘の最後の一回にはこんな意味もあるのです。初めて除夜の鐘の鳴らすタイミングの話を聞いたときには、そういった意味もあるのかと鳥肌が立ちました。

最近は、近くの住民の騒音対策や苦情により、除夜の鐘を突く時間が早まったりしている寺院もあるとのことですが、そういうのを聞くと少し寂しい気持ちがします。

年末年始の楽しいところだけを切り取るのではなくて、お正月はなぜ門松などを飾るのか、年神様を迎える気持ちも持っておきたいですね。

このような伝統的な文化は、末永く続いてほしいものです。
 

最後にもうひとつ。鐘の回りには突起がありますが、これは「乳(ち)」と言われるものです。

ほとんどの鐘についていて、この乳(ち)の数も108個あるのです。煩悩の数(108)を表しているのですね。

初詣の起源と由来

次に初詣の起源と由来についてお話します。

初詣は「年籠り」と呼ばれる古くからある日本の風習が起源と言われています。

その歴史は古く平安時代には「年籠り」の記録が残っています。その後長い年月をかけて形が変わっていき現在の初詣の形になったのです。

年籠りとは、

「村や家の長が、その地域の氏神様が祀られている社寺に大晦日の夜から元日の朝まで寝ずに籠もること」

を指します。

現在は年籠りの風習はあまり残っていませんが、私の地域の神社では、その近くの家の主人が晦日参りの人のために、火を保って順番に当番をやったりしています。

年籠りはしだいに、大晦日の夜「除夜詣」と元日の朝「元旦詣」の2つに分かれるようになりました。

「除夜詣」は「晦日参り」に、「元旦詣」は「初詣」に変わっていったのです。

今も「晦日参り」と新年になって「初詣」をすることを「二年参り」と呼んでいます。

ちなみに「初詣」という言葉は大正時代からなってから使われ始めました。思ったより最近の言葉なんですね。

初詣の意味を子供に分かりやすく説明するなら

初詣の意味を子供に分かりやすく説明するのも、考えすぎてしまうと言葉に詰まってしまいますね。

難しい言葉を使っても、分からないですし興味がそれてしまったら何にもなりません。

そこで、「なんで初詣に行くの?」と言われたら「おうちでもお正月にはご挨拶するし、親戚のみんなに会っても『明けましておめでとう!』って言うよね」
と、身内に置き換えると子どもが想像しやすくしつつ、

・神様に新年のご挨拶と去年のお礼を伝えにいくんだよ

と、教えてあげると良いのですよ。

「初詣はいつまでに行くの?」と聞かれたら、

・一年に一度、山や川の神様が降りてくるの。
・神様は1月7日まで(地域によっては1月15日)神社にいらっしゃるの。
・それを過ぎたらまた帰っちゃうから、それまでに行ったほうがいいのよ。

と説明しましょう。

「なんでお賽銭(お金)をあげるの?」と言われたら「○○ちゃんやお父さん、お母さん、おうちのみんなに悪いことが起きたらイヤよね」と伝えてから、

・今、持っているお金を綺麗にしてもらって
・家族みんなに悪いことが起きないようにお願いするの

と言えばわかりやすいでしょう。

ついつい「お願いごとの代金」と言いがちですが、それは違うのです。

お金には、災いや汚れを磁石のように吸い付ける力があると考えられています。

自分の持っているお金をお賽銭として投げ入れることで災いが来ないようにすると考えればよいでしょう。

お賽銭の額によって願い事が叶うと言われることがありますが、金額は特に問題ではありません。

また、「お守りって何?」と聞かれたら

・○○ちゃんを守ってくれたり、良いことを運んできてくれるの
・悪いことが起きようとしているときは、お守りがなくなったり切れたりすることがあるよ

と話すとお守りを大事に持ってくれるかもしれませんね。

私はおみくじは気になりすぎて出来ないのですが、おみくじも悪いのを引いてしまったら神社にある木に結べば大丈夫だよと教えてあげましょう。

こどもおみくじだと、そこまで悪いのは出ないかしれませんね。

まとめ

毎年、除夜の鐘が聞こえてくると、この一年のことをしみじみ思ったり、新年に向けて想いを馳せたりします。

寒空の中でしんと静まり返った夜に聞こえてくる鐘の音は、心が洗われるような気がしてきます。

そんな中での初詣もとても正月の風情がありますよね。

この素晴らしい文化がいつまでも続くように子供にも是非、伝えてあげてください。

お守りもたくさんあって迷ってしまいますが、迷ったときは直感で。子どもが、気に入ったお守りがあったらカバンにつけてあげてくださいね。